前回の記事では、上野動物園の「両生爬虫類館VIVARIUM」で生活する、面白い生態を持つトカゲ、魚、ヘビについて紹介しました。
今回はラスト!
カエル編です。
苦手な人もいるかもしれませんが、カエルたちはその姿も色もそれぞれ異なっており、個性があふれています。
中でもかわいい!不思議!危険だけど美しい!な3匹を紹介します。
カエルの仲間たち
なんかもちもちしてそう…♪かわいいけどすごい特技持ってる イエアメガエル
イエアメガエルは、アマガエルの仲間で、木の上で暮らすカエルです。
別名は「ツリーフロッグ」。
主にインドネシア、オーストラリア、パプアニューギニアに生息しています。
この日は2匹で木の上に固まっていました。
イエアメガエルは人懐っこく、図太い性格だといわれています。何回も通っていると、顔を覚えてもらえるかもしれませんね。
そして、奥の「すや~」という顔の子は、体の色が褐色です。
イエアメガエルの体色は、手前の子のような黄緑色。ですが、環境にあわせて薄緑色~褐色まで、変色させることができるんですよ。
色が変わっていく瞬間も見てみたいですね。
そしてなんといっても、このもちもちぷにぷになフォルムが可愛いです(触ったことはないですが…)。
なかなかクセが強いけど名前はかわいい マルメタピオカガエル
マルメタピオカガエルは、「丸目」な「タピオカ」な(?)「カエル」です。
目がタピオカに似ていることにちなんで名づけられました。
たしかに、色含めてタピオカそっくりですよね。
彼らの主食は、昆虫類や甲殻類、魚類、両生類など。私たちが知っている、カエルが食べそうなものではないですね。
マルメタピオカガエルが大きな獲物を食べることができるのは、その「口」に秘密があります。
彼らの口、とても幅が広いですよね。なんと上あごには歯が、下あごの中央部分には2本の牙が生えているんですよ。
歯と牙があるカエルなんて珍しい…!
迷彩柄のような体色が役立ち、獲物に気づかれにくそうです。狩りの瞬間を見てみたい…!
「熱帯雨林の宝石」コバルトヤドクガエル
皆さんは「ヤドクガエル」というカエルを知っていますか?
目を見張るような鮮やかな体色と、たいへん危険な毒をもっていることが特徴のカエルです。
彼らが住んでいる地域の狩猟民が、矢の矢尻にヤドクガエルの毒を塗って狩猟をしていたので、その名前がついたのだそう。
ヤドクガエルの毒がいかに危険かわかりますね。
今回は、世界に約200種類いるヤドクガエルのうち、コバルトヤドクガエルを紹介します(アイゾメヤドクガエルともいいます)。
絵具で塗ったような美しい青色のカエルです。
彼らはその美しさから「熱帯雨林の宝石」「世界で最も美しいカエル」と呼ばれていますが、殺傷力の高い神経毒を持っています。
その派手な体色は「警告色」といわれ、外敵に「自分は毒を持っているから近づくな」と知らせているといわれています。
その場にいるだけで、相手を威嚇することができるなんてとても優れていますね。
上野動物園では、数匹のコバルトヤドクガエルが生活しています。
「じゃあこの子たちの飼育員さん、めっちゃ危険じゃない!?」
そう思った方は、ご安心を。
彼らは生まれた時から有毒なわけではないんです。
自然界のヤドクガエルは、エサなどから毒素を蓄積して、徐々に有毒になっていくんだとか。
これらの毒は、アリやダニなどから摂取していくそうです。
そのため、コオロギやショウジョウバエなどの、毒素のない虫をエサにして育てていくと、毒を持たないとされています。
毒を持たないけど「警告色」の美しいコバルトヤドクガエル、上野動物園で会いに行ってみてくださいね。
VIVA!VIVARIUM(?)
3回にわたって、上野動物園の「両生爬虫類館VIVARIUM」を紹介してきました。
皆さんのお気に入りの生き物、会いに行ってみたい生き物は見つかりましたか?
上野動物園の一番奥にひっそりとたたずむこの場所。ですが、家族連れやカップルなど、さまざまなお客さんたちでにぎわっていますよ!
上野動物園に遊びに行った際は、西園の奥から楽しむのもアリですよ!たくさんの面白い生き物たちに会いに行ってみてくださいね。
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文章・画像/名月子店(めいげつこてん)