江戸川区自然動物園は、「公園に触れ合える動物をおいてほしい」という区民の提案から始まった、誰でも無料で楽しめる動物園です。
ペンギンをはじめ、プレーリードッグやアシカの仲間のオタリア、ワラビーやオオアリクイなど。公園の中のアットホームな動物園なのに、その顔ぶれは本格的。中でも、特におすすめなのが元気いっぱいに動き回るクモザルたちです。
飼育担当者に聞くクモザルの魅力
今回、取材にご協力いただいたのはクモザルの飼育を担当されている萬羽(まんば)さん。
クモザルの一番の魅力をお聞きすると
「クモザルは、しっぽで木にぶら下がる姿がまるでクモのように見えることからその名前がつけられたほど、その動きがとても特長的で見ていて飽きないです。ぜひその魅力を楽しんでいただきたいので、枝を張り巡らせたり、消防ホースをぶら下げたりしてクモザルの動きが楽しめるよう工夫しています。」
また、クモザルのしっぽには、手の指紋のようなものもあるそうです。器用に枝をしっかり掴めるんですね。
今しか見られない!白い毛のクモザルの赤ちゃん
取材当日、写真のようなケナガクモザルの赤ちゃんを発見!萬羽さんよると、産まれて数カ月の赤ちゃんは、お母さんのおなかにくっついていることが多く、お母さんのおなかの色に合わせて白っぽい毛になっているそうです。しばらくして成長すると、背中にくっつくようになり、毛の色もお母さんの背中の色である黒っぽい色に変化します。この白い毛の赤ちゃんを見られるのは、ほんの数カ月とのこと。貴重な姿をぜひ見に行ってくださいね。
クモザルにも社会の厳しさが…。飼育員さんが教えてくれた裏側の顔
萬羽さんに、クモザルの飼育で大変だったことをお聞きすると、クモザル社会の厳しさがうかがえるエピソードを教えて頂きました。
「まずは、なかなか顔が覚えられないことでした。特長のある子から覚えてって、徐々に分かるようになってきましたが。あとは、仲の悪いクモザルもいて喧嘩が激しいので大変です。現在、23匹のクモザルを飼育していますが、展示できているのは19匹。安全に飼育するために、檻を別するなど対策しています。いよいよ喧嘩が激しいときは、ホースで放水して止めることもあります」
平和な姿の裏に、人間と同じような群れ社会の厳しさもあるようですね。
動物園だからこそ伝えられる子ども達へのメッセージ
最後に、萬羽さんに「自然動物園」ならではの魅力をお聞きすると動物園に込められた想いをお聞きすることができました。
「この動物園の一番の魅力は、動物を身近に感じて触れ合えることにあります。残念ながらコロナ以降は、触れ合いイベントなどが中止になっているのですが。また、ケナガクモザルをはじめ、フンボルトペンギン、オオアリクイやホウシャガメなどの絶滅危惧種として指定されている動物たちを展示することで、子ども達が自然環境のことを考えるきっかけとなる、ファーストコンタクトになれたらと思っています。」
ホームページ:https://www.edogawa-kankyozaidan.jp/zoo/218/
参考文献:江戸川区「自然動物園ポニーランドガイドブック」
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文章・画像/後藤美加