9.8 C
Tokyo
ホームREPORT「散歩がてらにクモザルに会...

「散歩がてらにクモザルに会いに行こう」~江戸川区自然動物園取材レポート

江戸川区自然動物園は、「公園に触れ合える動物をおいてほしい」という区民の提案から始まった、誰でも無料で楽しめる動物園です。

ペンギンをはじめ、プレーリードッグやアシカの仲間のオタリア、ワラビーやオオアリクイなど。公園の中のアットホームな動物園なのに、その顔ぶれは本格的。中でも、特におすすめなのが元気いっぱいに動き回るクモザルたちです。
 

飼育担当者に聞くクモザルの魅力

飼育・学芸員 萬羽貴司さん

今回、取材にご協力いただいたのはクモザルの飼育を担当されている萬羽(まんば)さん。

クモザルの一番の魅力をお聞きすると

「クモザルは、しっぽで木にぶら下がる姿がまるでクモのように見えることからその名前がつけられたほど、その動きがとても特長的で見ていて飽きないです。ぜひその魅力を楽しんでいただきたいので、枝を張り巡らせたり、消防ホースをぶら下げたりしてクモザルの動きが楽しめるよう工夫しています。」

また、クモザルのしっぽには、手の指紋のようなものもあるそうです。器用に枝をしっかり掴めるんですね。
 

今しか見られない!白い毛のクモザルの赤ちゃん

生後3カ月ほどの白毛の赤ちゃん

取材当日、写真のようなケナガクモザルの赤ちゃんを発見!萬羽さんよると、産まれて数カ月の赤ちゃんは、お母さんのおなかにくっついていることが多く、お母さんのおなかの色に合わせて白っぽい毛になっているそうです。しばらくして成長すると、背中にくっつくようになり、毛の色もお母さんの背中の色である黒っぽい色に変化します。この白い毛の赤ちゃんを見られるのは、ほんの数カ月とのこと。貴重な姿をぜひ見に行ってくださいね。
 

クモザルにも社会の厳しさが…。飼育員さんが教えてくれた裏側の顔

萬羽さんに、クモザルの飼育で大変だったことをお聞きすると、クモザル社会の厳しさがうかがえるエピソードを教えて頂きました。

「まずは、なかなか顔が覚えられないことでした。特長のある子から覚えてって、徐々に分かるようになってきましたが。あとは、仲の悪いクモザルもいて喧嘩が激しいので大変です。現在、23匹のクモザルを飼育していますが、展示できているのは19匹。安全に飼育するために、檻を別するなど対策しています。いよいよ喧嘩が激しいときは、ホースで放水して止めることもあります」

平和な姿の裏に、人間と同じような群れ社会の厳しさもあるようですね。
 

楽し気に見えるケナガクモザル達

動物園だからこそ伝えられる子ども達へのメッセージ

最後に、萬羽さんに「自然動物園」ならではの魅力をお聞きすると動物園に込められた想いをお聞きすることができました。

「この動物園の一番の魅力は、動物を身近に感じて触れ合えることにあります。残念ながらコロナ以降は、触れ合いイベントなどが中止になっているのですが。また、ケナガクモザルをはじめ、フンボルトペンギン、オオアリクイやホウシャガメなどの絶滅危惧種として指定されている動物たちを展示することで、子ども達が自然環境のことを考えるきっかけとなる、ファーストコンタクトになれたらと思っています。」
 

各展示ごとに動物クイズがあるなど、子供が興味をもつ工夫も髄所に。
公園に遊びに来たついでにペンギンに会えるなんて感動
動物園人気ランキングで1位に輝いたプレイリードッグ

ホームページ:https://www.edogawa-kankyozaidan.jp/zoo/218/

参考文献:江戸川区「自然動物園ポニーランドガイドブック」

文章・画像/後藤美加

LATEST ARTICLES

安佐動物園のゾウ3頭は全員貴重!アフリカゾウのオスの現状と、マルミミゾウの繁殖、かつて日本...

前回の記事では、2属3種のゾウ(亜種含めると6種)の細かな違いについて解説しました。 今回は、その中でアフリカゾウとマルミミゾウを展示している「安佐動物公園」(広島県広島市)のゾウを紹...

【6種のゾウ】日本では全種に会える!見分け方を写真で解説。【アジアゾウ・アフリカゾウ・マル...

皆さんは「ゾウ」というとどんな姿を思い浮かべますか?大きくて、鼻が長くて、牙が生えていて…。 ゾウは大きく分けると3種類、亜種を含めると6種類もの種が存在するんですよ(絶滅した種を除く...

サンシャイン水族館でアオリイカの公開給餌を激写!模様が波打つイカ「コブシメ」も紹介。

サンシャイン水族館(東京都豊島区)ではさまざまなイベントが開催されますが、筆者は2023年6月、「アオリイカ」の公開給餌を目撃しました。 公開給餌が行われたのは、本館1階の「海...

雨の日のサンシャイン水族館。天空を見上げるペリカンとペンギン

今回は、「サンシャイン水族館」(東京都豊島区)でしか見られない生き物の展示方法を紹介します。 中でも屋外エリアの「マリンガーデン 天空の旅」では、まるで空を飛んでいるようなペンギン、高...

【多摩動物公園】インドサイ「ゴポン」とともにつくったトレーニング。その内容や目的に迫る!

今回は「東京都多摩動物公園」(東京都日野市)で行われているインドサイのトレーニングについて紹介します。 「インドサイ」といえば、硬い皮膚が特徴的で、体全体が鎧で覆われているように見える...

Most Popular

- Advertisment -

MAP

EVENT CALENDAR