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【かわいい】上野動物園の隠れ人気スポット「小獣館」には”老化しないネズミ”や”空飛ぶキツネ”がいる!?

上野動物園の隠れ人気スポット「小獣館」

上野動物園には人気スポットがたくさんありますが、知る人ぞ知る「隠れ人気スポット」があるのを知っていますか?

それは西園「アフリカの動物」エリア付近にたたずむある建物。

(外観)

この日は休日。なにやら行列ができているな…と思い近づくと…

かわいい(?)3匹の動物たちがでかでかと貼り出されている建物が!
ここが、今回ご紹介する「小獣館」です。
まずこの3匹は何者なのか、確かめたい…!そして、ほかにはどんな「小さい獣」がいるのか知りたい…!
期待に胸を膨らませ、館内へ。

老化しないネズミ

建物に入ると、外とは雰囲気がガラッと変わります。夜行性の動物などがたくさん展示されているので、入口からしばらくは真っ暗なのです。

人気のミーアキャットが見えてきますが、衝撃を受けたのはその隣。地中の断面のようなこれは…?

近くでのぞき込むと、なんと何匹もの「何か」が折り重なっていました!これは一体…。

(別の穴の様子)

しかも毛がない…?そして歯…。ネズミのようですが、こんなネズミ見たことがありません。いや、もしかしたら建物の入口に貼り出されていたかも…?
この動物は、「ハダカデバネズミ」といいます。
アフリカなどで、数十~数百匹の大家族を形成し「完全地中生活」を営むネズミ(げっ歯類)の仲間です。体長が10cmほどの、少しか弱そうにも見えるこのハダカデバネズミ、実はとんでもない生き物なんです。

私たち人間の「敵」といえば、皆さんは何を思い浮かべますか?
例えば、「がん」や「無酸素状態」などが挙げられますよね。

ハダカデバネズミは、なんとこれらに耐性があります。
彼らの持つ遺伝子や、体内で作り出している物質ががんを防いでいるといわれており、これまで彼らにがんが発見されたことはありません。
また2017年のアメリカの研究で、ハダカデバネズミは酸素がない環境で18分も耐え、大きなダメージが残ることもなかったという結果が出ました。これは無酸素状態でも果糖などのエネルギーを作り出して、脳や心臓に送ることができるためといわれています。

なんだか、次元が違いますよね。
目の前にいるこの小さなネズミたちにそんなすごい力があると実感するのには、少し時間がかかりました。

そして、極めつけ。ハダカデバネズミは「老化」にも耐性があります
「そもそも老化に対しての耐性とは…?」という感情になりますが、彼らは血液機能の維持や代謝のコントロールに優れていると考えられており、それが老化に強い理由ではないか?といわれています。

(ここは最強のネズミたちの巣窟…)

「世界で最も寿命の長いげっ歯類」…ハダカデバネズミはそう呼ばれています。
人間は生態系の頂点といわれますが、彼らの方がよっぽど強い生き物のように感じます。

(一瞬だけエサを食べにきました。)

折り重なって(寝ている…?)ときどきエサを食べにゆっくり動いてはまた折り重なる(エサにたどり着く前にあきらめて戻る子もいました)…でもこのネズミは最強…。
さまざまな情報が行き交い混乱しますが、ハダカデバネズミへ言いたいことはただ1つ。

「あなたたちになりたい。」
です(でも毛はちょっとほしい)。

▼参考記事
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%80%E3%82%AB%E3%83%87%E3%83%90%E3%83%8D%E3%82%BA%E3%83%9F

▼「普通のネズミより10倍長寿」のハダカデバネズミ:その理由は?
https://wired.jp/2009/03/11/%E3%80%8C%E6%99%AE%E9%80%9A%E3%81%AE%E3%83%8D%E3%82%BA%E3%83%9F%E3%82%88%E3%82%8A10%E5%80%8D%E9%95%B7%E5%AF%BF%E3%80%8D%E3%81%AE%E3%83%8F%E3%83%80%E3%82%AB%E3%83%87%E3%83%90%E3%83%8D%E3%82%BA%E3%83%9F/

空飛ぶキツネ

ハダカデバネズミでお腹いっぱいになったかもしれませんが、小獣館はまだまだすごい!1階の出口付近にいる、とある動物を紹介します。

皆さんは「空を飛べる唯一の哺乳類」を知っていますか?
すぐには浮かばない方も多いのではないかと思います。

答えは「コウモリ」です。
夕方~夜にかけておうちの周りでよく見かけますね。

では、翼を広げると1mにもなる、大きいコウモリを見たことはありますか?
おうちの周りにはなかなかいないですよね。

世界には約960種類のコウモリが生息していて、日本でも35種類(分類法により変動)が確認されています。
日本で最も大きいコウモリは「オガサワラオオコウモリ」というのですが、今回ご紹介するのはそれに次ぐ大きさの「オリイオオコウモリ」です。

日本の南西諸島や台湾などに分布している「クビワオオコウモリ」(絶滅危惧種)の亜種で、体長は20~25㎝、翼を広げると1mに達します(やっぱりハダカデバネズミって小さいですよね…)。

彼らは顔がキツネに似ていることから「空飛ぶキツネ」と呼ばれています。

おうちの周りで見かける小型のコウモリと、オリイオオコウモリにはある違いが存在します。それは「目が発達しているかどうか」です。

オリイオオコウモリは、画像のように目がとっても大きいことがわかりますね。

小型のコウモリは、超音波を出して獲物の位置を確かめる「エコーロケーション」が目の代わりとなっているため、視力はほとんどありません。
一方、オリイオオコウモリにはエコロケーションができず、視覚に頼って飛行するため目が大きく発達しています。
また、エサも異なります。小型のコウモリは昆虫などを食べますが、オリイオオコウモリはオレンジやリンゴなどのフルーツを食べます。

普段は翼をたたんでぶら下がっていることが多いのですが、この日は運よくエサやりの時間に立ち会えました。こちらの動画をご覧ください。
▼動画URL
https://youtube.com/shorts/tZmRbiehLBw?feature=share

コウモリにはごはんをあげたり、なでたりしてはいけない、という認識を持っている方が多いですよね。
そのためこの光景はとても新鮮に感じられると思います。
飼育員さんにぶら下がっているこの子は、甘えているのでしょうか。

ちなみにこのあと飼育員さんに頭をなでられていました。大好きな飼育員さんになでてもらえてうれしい!という様子でした。

オリイオオコウモリたちと、飼育員さんの心の交流を目の当たりにして、ほっこりしました。胴体の毛がふさふさで目がくりくりしているので、より「動物感」があるのも愛らしいですよね。

飼育員さんとの一コマを見ていると、フルーツをたくさん差し入れたくなりました。そして彼らに懐いてもらって…服にぶら下がってほしい…!

▼参考記事
https://pz-garden.stardust31.com/kansi-yokusyu-kuzira-moku/ookoumori-ka/orii-ookoumori.html

▼「コウモリはなぜ逆さま?頭に血が上らない理由と疲れない足の秘密」
https://www.seikatsu110.jp/library/animal/am_bat/36562/
コウモリの翼の骨って、実は指の骨なんですよ。

あなたの「かわいい」、アップデートされましたか?

上野動物園の隠れ人気スポット「小獣館」にいる2種類の動物を紹介しました。
いかがでしたでしょうか?

「かわいい」ですよね。

ただのネズミとコウモリではありません。”老化しないネズミ”と”空飛ぶキツネ”です。どちらもただものではありませんが、どこか「かわいい」のは間違いないです。
今回ご紹介した生態を知ったうえで会いに行くと、より特別な感情(かわいい)で見ることができます。

次回は小獣館後編です。まだまだたくさん魅力たっぷりの動物たちを紹介していきますよ。
あなたの「かわいい」が、さらにアップデートされること間違いなし!

文章・画像/名月子店(めいげつこてん)

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