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【7年ぶり】とべ動物園の「父系社会」に生まれたオスのチンパンジーの赤ちゃん。個性あふれる家族とともに紹介!

今回は「愛媛県立とべ動物園」で2022年12月に生まれたチンパンジーの赤ちゃんとその家族を紹介します。

チンパンジーに会える場所

チンパンジーに会えるのは、動物園の後半にさしかかるあたりにある「チンパンジーの森」です。

チンパンジーの赤ちゃん情報

チンパンジーの赤ちゃんは、2022年12月30日生まれの男の子。

お父さんの「ロイ」(27歳)、お母さんの「スズミ」(26歳)の間に、第2子として生まれました。

(左:スズミ、右:ロイ)

 

生まれたときのようす

スズミは今回が2回目、7年ぶりの出産。

落ち着いていて、飼育員さんも安心して見守ることができたそうです。

1回目の出産と違ったのは、姉となる「ミライ」(7歳)がいる部屋での出産だった、ということ。

出産の瞬間を目の当たりにしたミライは、とてもびっくりして、声をあげたり跳びはねたりしたそうです。

赤ちゃんの誕生は、いつかお母さんになるかもしれないミライにとっても、貴重な体験だったようですね。

赤ちゃんの名前

赤ちゃんの一般公開は、2023年1月13日から始まりました。

同時に、愛称の投票も開始。

【名前の候補】

①ロハス:父「ロイ」と母「スズミ」から1文字ずつもらって(ロハス=健康への願いを込めて)
②ロック:強い男の子に育つように願いを込めて
③スカイ:父「ロイ」と母「スズミ」から1文字ずつもらって
④ヒフミマル:12月30日生まれにちなんで

そして、2023年1月29日、「命名式」が行われました。

投票の結果、赤ちゃんの名前は「スカイ」に決定!

「スカイ」の誕生で、とべ動物園のチンパンジーの群れは7頭になりました。

群れの仲間はスカイに興味津々!

なかでもオスの「ロッキー」(7歳)は「スカイを見たい、さわりたい!」とスズミにつきまといすぎたため、ロイやスズミ、ミライたちに怒られることもあったそうですよ。

2023年2月のようす

筆者は2023年2月末に、スカイに会いに行きました。スカイを見つけた瞬間、あまりの可愛さに思わず「あっ!」と声が出ました。

スズミのお腹にしがみついて、どんなにスズミが動いても離れることはありません。

スカイもスズミも、少し来園者を警戒しているような雰囲気がありました。

このとき、一般公開からまだ1か月。外の世界への不安はいっぱいですよね。

(スズミもあたりを見渡して、スカイを守っていました。)

そばのベンチに座って静かに見ていると、スカイがひょっこり顔を出しました。

お人形さんのように可愛いですよね!

瞳の色が美しいです。

チンパンジーの肌は、日焼けや加齢によって黒くなります。生まれて数か月のスカイの肌はまだピンク色で、表情がわかりやすいです。

左はスカイの足、右はスズミの手。

この足と手でしっかりとお互いを掴んでいます。親子の絆の強さが、この写真だけでもわかるような気がします。

スズミはときどき鳴き声をあげていました。

チンパンジーの鳴き声にはさまざまな種類・意味があります。

そのときのスズミの鳴き声は「パント フート」に近かったように思います。

チンパンジーの生きる「社会」

チンパンジーの群れは「父系社会」といわれるものです。

オスを中心とした社会で、群れの中で生まれたメスは、年頃になると群れから出て、新しい群れで暮らします。

オスは生まれた群れにとどまり、群れを守っていきます。

ライオンやイノシシ、ニホンザルなど、群れで暮らす多くの動物たちが「母系社会」であるのに対し、チンパンジーの「父系社会」は珍しいタイプの群れだといえます。

とべ動物園のチンパンジーの群れは個性いっぱい!

飼育員の中西さんによると、とべ動物園のチンパンジーファミリーのリーダーは、スカイのお父さんである「ロイ」

ロイは体ががっしりしていてひときわ大きく、いつも偉そうな性格。家族からは一目も二目も置かれています。

ロイの機嫌がいい日は平和な一日で終わり、悪い日は誰かしらが被害を受けてしまうそう…。いわゆる、「お山の大将」です。

ところで、スカイのお母さんである「スズミ」が、ロイから過度な攻撃(イライラが溜まった時のうっぷん晴らし)を受けることがあるそうなのですが…

そんなときは、家族の中で最高齢のメス、「マリー」(51歳)がスズミの加勢に加わるそうです。

普段のマリーさんは誰にでも優しく控えめな性格だそうですが、いざというときは感情を表に出すのですね。

ところが、力は圧倒的にオスのロイが強いので、最後はマリーさんとスズミが、ロイのご機嫌伺いに向かうとか…(汗)

そんな中、「ツバキ」(「ロッキー」のお母さん)と中西さんは、じ~っとそのようすを静観し…

ツバキが加わると余計にややこしくなるので、中西さんはツバキに「お前は手を出すなよ」と伝えているそうです(笑)

(毛づくろい中)

そんな6頭にスカイが加わり、とべ動物園のチンパンジー家族はどのように変わっていくのでしょうか。

家族みんなでずっと仲良く暮らしてほしいですね。

「父系社会」のルールでは、スカイのお姉さん「ミライ」は、年頃になると別の動物園に行ってしまいそうです。

オスのスカイやロッキーは、このままとべ動物園の群れで暮らし、家族を守っていく存在になるのでしょうか。

皆さんも個性あふれるチンパンジーたちに会いに行ってみてください。さまざまな気づきや学びがありますよ♪

文章・画像/名月子店(めいげつこてん)

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