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【ナイトズーラシアレポ②】インドゾウとライオンの「とっておきタイム」でスリル満点な体験!

2023年8月5日から8月27日まで、「よこはま動物園ズーラシア」(神奈川県横浜市)では開園時間を延長して夜の動物たちの様子を観察できるイベント「ナイトズーラシア」が開催されました。筆者は初日の8月5日に参加。

飼育員さんが担当動物のガイドをしてくれるイベント「とっておきタイム」はナイトズーラシアバージョンで開催!

昼間とは違う、夜ならではのお話が聞けるかも!?ということで、筆者は4つのとっておきタイムに参加しました。

▼参加回
16:30  アムールヒョウ(前回の記事参照)
17:00  ウンピョウ(前回の記事参照)
17:30 インドゾウ
18:30  ライオン

(開催場所は動物の各展示場)

この記事では後半として、インドゾウライオンのとっておきタイムを紹介します♪

【とっておきタイム】インドゾウのラスクマル&シュリー

ウンピョウの展示場から入口の方へ戻り、「インドゾウ」のとっておきタイムです。

オスの「ラスクマル」は、いつもよりも多い来園者たちに興味津々。向かいの「シュリー」(メス)の方を見ながらソワソワ。

砂浴びをして上機嫌。

(シュリーさんはいつでも落ち着いています。)

そして2頭が一旦お部屋に帰り、出てきたのは…

飼育員さんたち!その手にはナイトズーならではの特別なプレゼントが。それは「冷凍スイカ」です。2頭はどんな反応をしてくれるでしょうか…?

まずはラスクマル。扉が開いた瞬間、スイカを発見!いつもと違う食事でも驚きません。真っ先にスイカのもとへ爆走。

ところが、ラスクマルが最初に食べたのはバナナの葉。足で茎を押さえて、器用に葉っぱをちぎって食べます。もしかしてラスクマルは、おいしいものは最後にとっておくタイプなのか…!?

バナナの葉っぱもおいしそうに食べます。ニヤニヤしているように見えて可愛いラスクマル。

さて、とっておいたスイカを食べるとするか!
右足をゆっくり置いて、力を込めていきます。

ちょうどいい感じにつぶれました♪ラスクマルはにっこり笑顔!
飼育員さんのお話では、水分量の多いスイカはゾウの足の力ですぐにつぶれてしまい、食べにくくなってしまうので、つぶしてもある程度形が残るように凍らせてあるんだそうです。

鼻を器用に使って食べていました。意外とちびちび食べるんだなぁ、と思いました。ラスクマルなりのこだわりがあるようです。

次はシュリー!シュリーが鼻を上げて嬉しそうにするようすは珍しい気がします。というのも、シュリーは慎重な性格で、いつもと違う食事は食べなかったり、鼻で念入りに確認したりするからです。ラスクマルと同じくスイカにまっしぐら~。

しかし、シュリーもまずはバナナの葉から。しかも嬉しさからか食べる前にブンブンと葉を振り回したせいで…

スイカが砂だらけになってしまいました(笑)それに気づいたシュリーは、バナナの葉を放り投げて、スイカに向かっていきました。

どうやらラスクマルと同時にスイカをつぶしたようで、いつの間にか砂だらけのスイカがおいしそうな姿になっていて驚きました。

シュリーの鼻の使い方は、繊細さと豪快さを兼ね備えています。一度につまむスイカの量は少ないですが、コンスタントに食べ続けていました。

スイカで満足したあとは、バナナの葉(ほぼ茎)をきれいに完食。

冷凍スイカという特別プレゼントを通じて、2頭の個性を観察できたとても楽しい回でした!

【とっておきタイム】ライオンのソラ&シドウ

最後に「ライオン」のとっておきタイム。時間は18:30、ちょうど日の入りの頃です。

今回はオスの「ソラ」「シドウ」のお食事を目の前で観察できました!

まずはソラ。屋外展示場で、とっておきタイム開始前からソワソワ。途中からソラがずっと上を見ているので何かあるのかな?と思ってみてみると…

この岩のてっぺんに飼育員さんがいたんです!来園者は驚きの声を上げました。どうやらここからソラにお肉をあげるようです。

ソラは例年、ナイトズーラシアで大活躍するライオンだそうで、今回はその腕前を初めて見せてもらえそうです!

飼育員さんは2か所のポイントに肉を投げていました。柵の前と、ガラスの前。たくさんの来園者に見えるように、そしてソラの運動になるように。

ソラは約190kgもある立派なオスライオン。そんな巨体が何度も走ってきてジャンプする姿には圧倒されました。

まさに百獣の王の風格。ですが、お肉が目の前にあるのに探しているようすが可愛いソラでした。

ソラはこんなライオン!

ソラは2009年11月3日に、「広島市安佐動物公園」で生まれました。現在14歳。
現在も安佐動物公園にいるオスの「リク」は双子の兄弟です。

ソラはこれまでたくさんの移動を経験してきました。

まずは2014年に、広島から神奈川までの長旅を乗り越え、ズーラシアへ到着。

2016年の担当飼育員さんのブログがとても面白いです(https://www.hama-midorinokyokai.or.jp/zoo/zoorasia/details/savanna28.php)。ソラのローズマリーの香りがする吐息、筆者も嗅いでみたかったです(笑)

ズーラシアではうまく繁殖が成功しなかったソラは、2020年9月に繁殖を目的とした「ブリーディングローン」「東京都多摩動物公園」へと出張。

多摩動物公園では種オスとして、非公開エリアの放飼場で約2年間生活しました。ソラの頑張りによって、2022年9月にメスの「ミオ」との繁殖に成功し、3頭の子孫を残すことができました。

(「東京ズーネット」公式サイトより https://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=event&inst=tama&link_num=26678

多摩では来園者に会うことはありませんでしたが、多摩動物公園の看板や旗にはソラの写真が使われています。ソラは多摩にいた・活躍してくれた、という証が刻まれています。

そうして2022年12月にズーラシアへ帰り、今ではまた、たくさんの来園者に囲まれています。

穏やかな性格のソラは、体重測定や採血もズーラシアのライオンの中で1番スムーズなんだそう。いつも来園者に優しい視線を向けてくれるライオンです。

「シドウ」の豪快ディナー

そしてこちらは、ソラの出張とほぼ同時の2020年9月にやってきたオスの「シドウ」(2014年3月24日生まれの9歳)。元気に肉をかみ砕き、ガラス越しにもバキバキという音が聞こえてきました。

富士サファリパーク出身のシドウは、毛量の多さと毛の濃さが特徴!おなかに向かってL字型に、黒い毛がたくさん生えています。

先日紹介した、毛量の王「ネオ」(愛媛県立とべ動物園)も九州自然動物公園アフリカンサファリ出身でした。

サファリパーク系出身のオスライオンは、闘争を経験していることが多く、たくさんのライオンのリーダーになっていく必要がありますから、たてがみが立派になる傾向にあるのかもしれません。

ソラがズーラシアに帰ってきたとき、シドウの存在にどう反応するか飼育員さんは心配だったそうですが、特にお互い気にすることなく受け入れていたそうです。ソラもシドウも、優しい性格のようですね。

シドウはまだお肉がたっぷりついた骨を、来園者の目の前でゆっくりと堪能していました。私たちのことはまったく気にしていないようです。

ライオンのとっておきタイムは飼育員さんのお話をじっくり聞くというよりは、とにかくライオンの俊敏な動きや食事にフォーカスした回でした。

とっておきタイムは毎日開催!

今回は2回にわたって、よこはま動物園ズーラシアのとっておきタイム・ナイトズーラシアバージョンを紹介してきました。

2023年のナイトズーラシアは終了しましたが、とっておきタイムは毎日開催されています。

9月からはレッサーパンダ、ツシマヤマネコ、ドールなどのガイドが見どころです。

詳細は公式サイト(https://www.hama-midorinokyokai.or.jp/zoo/zoorasia/details/911abc.php)をチェックしてみてくださいね。

文章・画像/名月子店(めいげつこてん)

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