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【上野動物園】動かなくてもいい。なぜなら”全身がチャームポイント”だから。ハシビロコウを、ばっちりシャッターに収めよう。

突然ですが、動物園の動物を見ていて一番盛り上がるときって、どんなときですか?

「動いたとき」と答える方が多いと思います。

上野動物園には、動かなくてもお客さんの注目を集める、珍しい鳥がいます。
その鳥に会えるのは日本で6か所だけ。

名前を「ハシビロコウ」といいます。別名は「シュービル」。
西園、フラミンゴエリアの向かい側で会うことができますよ。

全身が「チャームポイント」。そのすべてを理解したい。

ハシビロコウは、日本ではとても珍しい鳥なので、園内でバッチリ写真に収めたいですよね。

そんなときは、
「なぜ動かなくても人気なのか?」
について、考えてみましょう。おのずと撮影するポイントがわかってきますよ♪

そのために、ハシビロコウの興味深い姿と生態について、紹介していきます。

これが名前の由来。「ハシビロ」なくちばし

絶対注目!なのが、唯一無二な形のくちばしです。
ハシビロコウの名前は、「クチバシが幅広いコウノトリの仲間(※)」という意味。

英名「シュービル」の意味は「靴のようなクチバシ」。確かに、成人男性の靴に見えてきました。

くちばしがハシビロな理由は、彼らの食生活が関係しています。

ハシビロコウは、「ハイギョ」という大きな魚類を食べます(なんと60~90cmもあります)。くちばしはその捕獲に適応し、このような形になりました。

幅広いくちばしの先は、フックのように鋭く曲がっていて、これを引っかけることで大きな魚も逃しません。

(※)コウノトリのくちばしって、細くて長いですよね。本当にハシビロコウもその一員なの…?と思った方へ:最近、遺伝子的にはペリカンに近いことが分かっているそうですよ。

羽のお手入れは、毎日のルーティーン。
くちばしを横から見ると、笑っているように見えますね。

この絵具があったらほしい!絶妙な色の羽

(質感の異なる羽)

ハシビロコウの羽にも、類いない特徴があります。

首回り~胸のあたりには、青みがかった薄い灰色で、きめ細かい感じの羽が生えています。

(羽を広げると250cmにもなります。)

背~尾にかけての羽は、青みが濃くなり、紫や緑の光沢があります。一本一本が大きく、少しずつ色が違うのがわかりますね。

毎日お手入れをする羽は、雨の日に水をはじいたり、寒さから身を守ったりする大切な役割があります。

(パヤパヤしています。)

頭には「冠羽」と呼ばれる飾り羽が生えています。
オウムやインコによく見られるものですが、ハシビロコウの冠羽はそれほど目立たず、寝ぐせのように見えてとても愛らしいですよね。

冠羽は意識的に動かすことができ、仲間とのコミュニケーションに使われるといわれています。

ハシビロコウは基本的に単独で行動する生き物です。仲間とのコミュニケーションを見ることができる機会は、頻繁には訪れません。威嚇や求愛のときにこの羽が立ち上がるところ、見てみたいですね。

ちなみにハシビロコウの繁殖は、国内で一度も成功していません。世界でも成功したのは2例だけなのだそう。

「動かない」を支える。長い足

(この日は指が隠れていました…リベンジ確定です。)

野生のハシビロコウは、アフリカの湿地や草原で暮らしています。

ハイギョを捕獲するために、彼らは1日中、ほとんど動きません。空気を吸いに水面にあがってくる時を、じっ…と狙っているのです。

長時間身体を支えるため、そして湿地に身体が沈み込まないようにするために、ハシビロコウはとても長い指を持った大きな足を持っています。

めったに動きませんが、ハシビロコウって突然動くことがあるんですよ。
歩いている姿はモデルさんのようです。撮影のときは、その瞬間まで少し粘ってみてくださいね。

パヤパヤした冠羽とのギャップがたまらない。キリっとした目

(堀の深い顔。目に影が落ちてかっこいいです。)

ハシビロコウの目力は、「鳥類最強」と言っても過言ではありません。

その目はこちらをにらみつけているようにも見えますが、どこか優しく、正義感すら感じます。

視力もよく、ハイギョが水の中で出した空気の泡を見つけることができます。
目の色は若い時は黄色ですが、歳をとるにつれて、青色に変化していきます。

ここまでお読みいただいた方ならなんとなくお察しいただけたかもしれません。
ハシビロコウは「なぜ動かなくても人気なのか?」。

その答えは、動かなければ動かないほど、存在感が増していくからです。
そして、その唯一無二の姿が目に焼き付いていき、忘れられなくなるからです!

くちばし、羽、足、目…全部ばっちり収めたいですよね。

ベストショットを狙って、ハシビロコウのチャームポイントがキラリと光る瞬間を、じっ…と待ちました。
(ハイギョを狙うハシビロコウの気持ちが、すこ~しだけわかったような気がします。)

撮れました。雰囲気の違う2枚、紹介します

こちらはハシビロコウの、

・ひときわ存在感のあるくちばし
・正面から射抜かれるような鋭い目

にフォーカスした、かっこいい写真です。

こちらの写真は、

・スラリと伸びた長い足
・作り物のような羽

が際立つ、美しい写真です。

どちらの写真も、ハシビロコウの魅力が詰まっていて、かつ雰囲気の異なる1枚に仕上がりました。

威厳あるかっこよさと、愛嬌のあるかわいらしさを兼ね備えた「動かない人気者」。
あなたの目とシャッターに、焼き付けに行きませんか?

文章・画像/名月子店(めいげつこてん)

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