ラッコに会える水族館は、日本全国に2館(鳥羽水族館、マリンワールド海の中道)、飼育頭数は合計3頭のみです。※2022年11月現在
飼育頭数は年々減少しており、日本の水族館からラッコがいなくなる可能性があります。
日本でのラッコ飼育の現状
1982年(昭和57年)に伊豆・三津シーパラダイスが日本で初めてラッコを飼育展示を開始。1984年には鳥羽水族館が国内で初めて繁殖を成功させ、日本中で「ラッコブーム」が巻き起こりました。1994年、日本全国で最多の122頭が飼育されていました。
しかし、毛皮目的の密猟、原油流出事故、地球温暖化などの影響により野生のラッコ生息数が減少。保護のためにワシントン条約で国際取引が規制され、主な輸入元であるアメリカから1998年を最後にラッコ輸入が途絶えています。2000年、ラッコは国際自然保護連合(IUCN)により絶滅危惧種に指定されました。
もともとラッコの繁殖は難しく、現在日本の水族館にいるラッコは高齢。近年は死亡のニュースが相次いでいます。このまま輸入出来ない状況が続けば、日本の水族館からラッコがいなくなる可能性があります。
2022年5月、神戸市立須磨海浜水族園の明日花が死亡し、飼育頭数はついに3頭のみになってしまいました。
飼育中の水族館及び飼育頭数
■三重県「鳥羽水族館」
2頭:メイ(メス)、キラ(メス)
※2018年10月 ロイズ(オス)が死亡
■福岡県「マリンワールド海の中道」
1頭:リロ(オス)
※2021年2月 マナ(メス)が死亡
近年飼育終了した水族館
■兵庫県「神戸市立須磨海浜水族園」
2021年5月 ラッキー(オス)が死亡(鴨川シーワールドにて)
2022年5月 明日花(メス)が死亡(鴨川シーワールドにて)
※神戸市立須磨海浜水族園は再整備工事のため、2021年2月末にラッコの公開を終了
■東京都「サンシャイン水族館」
2012年12月 ルーチ(オス)が死亡
2016年1月 ミール(メス)が死亡
2016年3月 ロイズ(オス)を三重県「鳥羽水族館」へ移動
■神奈川県「横浜・八景島シーパラダイス」
2017年4月 ユータン(オス)が死亡
■大阪府「海遊館」
2017年10月 パタ(メス)が死亡
■茨城県「アクアワールド茨城県大洗水族館」
2018年11月 カンナ(メス)が死亡
■新潟県「マリンピア日本海」
2020年3月 クータン(オス)が死亡
■石川県「のとじま水族館」
2020年9月 ラスカ(メス)が死亡
■和歌山県「アドベンチャーワールド」
2021年3月 キラ(メス)を三重県「鳥羽水族館」へ移動