9.8 C
Tokyo
ホームREPORT【愛らしい】上野動物園の隠...

【愛らしい】上野動物園の隠れ人気スポット「小獣館」には”世界最古のネコや”ウサギみたいなブタ”がいる!?

上野動物園の隠れ人気スポット「小獣館」

▼前回の記事はこちら
https://dobutsubiyori.com/topic20230120/

前回の記事では、上野動物園の隠れ人気スポット「小獣館」の、驚きの生態を持つ”かわいい”2種類の動物を紹介しました。この記事では、同施設の「正統派かわいい」な3種類の小獣たちの様子をお届けします。

まんまるもふもふな「世界最古のネコ」。キュートだけどたくましい

まずは小獣館の「看板」動物!画像の真ん中の動物です。ネコっぽいけど…なんだか丸々としていて、見たことない動物だな、と思いながら館内へ。

入口からしばらく歩くと、右手に見えてきました!「あの看板の子だ!」と、すぐにわかります。

(凛々しくポーズをとっていました。)

この動物は「マヌルネコ」といいます。「マヌル」とは、モンゴル語で「小さいヤマネコ」という意味です。マヌルネコは約600万年前から存続しているため、「世界最古のネコ」と呼ばれています。
体長は50~60cmと、おうちで飼われるネコと同じサイズですが、なんとなくそれより大きく見えるような…。

(冬毛がふさふさ)

マヌルネコは、体毛がとっても長く、密集して生えています。ずんぐりして見えるのはこれが理由だったのですね。
そしてマヌルネコは、その顔も特徴的。
この顔つきは、マヌルネコの生息地とその生活に関係しています。野生のマヌルネコの生息地は、アジアの標高450~5073メートルにある、岩場の多い草原や砂漠、ステップ(平らで乾燥した土地)など。

(太くて短い足。しっぽの縞模様も愛らしいです。)

目の位置が高く、足が短いのは、身を隠せる場所の少ない場所で岩陰にふせて、岩の上から目だけを出して獲物を狙うのに適しているからだと考えられています。

昨年、ユキヒョウについての記事を掲載しましたが、彼らも高山帯に生息していました。足や毛の特徴が、マヌルネコと共通していますね。
▼ユキヒョウについての記事はこちら
https://dobutsubiyori.com/topic20221202/

「そんなところにも!?」どこでも登れちゃうマヌルネコ

(エサの場所をチェックしているのでしょうか?)

マヌルネコは、げっ歯類や鳥類などを食べます。
この日はえさの時間に立ち会うことができました。飼育員さんはエサの位置を工夫していて、床に垂直な岩の上や細い木の上など、さまざまなところに鶏肉を置いていました。

ほぼ天井!という高さの壁でも、マヌルネコならへっちゃら。ものの数秒でエサにたどりつきます。

木の上だって得意。エサを食べているときの嬉しそうな表情がキュートです。

さまざまなところにあるエサは、みるみるうちに消えていきました。

とっても器用なマヌルネコ。ご飯の後はエサのあった木の上ですやすや。正面から見るとふわふわのお団子みたいで愛らしいです。

小獣館の人気者、マヌルネコをモチーフにしたグッズが園内で販売されていますので、そちらもチェック。

▼参考記事
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%8C%E3%83%AB%E3%83%8D%E3%82%B3
▼マヌルネコの繁殖
1:https://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&inst=ueno&link_num=26843

上野動物園では、2021年6月にマヌルネコの子どもが生まれました。マヌルネコは飼育下での繁殖が非常に難しいといわれています(生息地である高地では病原菌が少なく、免疫力が低いためと考えられています)。そしてその子どもは感染症に非常に弱いため、今のところ子どもたちの公開の予定はありませんが、もし会うことができればうれしいですね。
▼マヌルネコの食事タイムを撮影しました。
動画URL:https://youtu.be/_gvYV23oDZw
動画URL:https://youtu.be/lR9zFTlHWPg
動画URL:https://youtu.be/kyv_YlG4Ojk

日本で会えるのはたった4施設!今年の隠れ主役!?「ウサギみたいなブタ」

小獣館には、日本では大変珍しい動物がいます。

この生き物は「ツチブタ」といいます。全長140~220cmの、夜行性の動物です。

少し難しい話になりますが、ツチブタは「哺乳綱管歯目ツチブタ科ツチブタ属」という分類で、原始的な有蹄類である「管歯目」に属する唯一の動物です。

つまりツチブタは「ブタ」とは何の関係もない動物なのです!

そして、哺乳類のなかでも生態がいちばんよくわかっていない動物でもあります。その特徴的な耳も、なぜ長いのかはわかりませんでした。

ウサギは敵の存在に早く気付くために、長い耳がアンテナの役割をしていますが、それと同じ理由なのでしょうか?

ツチブタは前足の力がとても強く、高速で地面を掘り進んで巣穴を作ります。その光景もいつか見てみたいですね。

▼参考記事
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%84%E3%83%81%E3%83%96%E3%82%BFhttps://www.tokyo-zoo.net/encyclopedia/species_detail?code=360
https://www.tokyo-zoo.net/movie/mov_book/2005_02/index.html
▼ツチブタに会える動物園
https://www.jaza.jp/animal/search?_keyword=%E3%83%84%E3%83%81%E3%83%96%E3%82%BF&_method=true#paragraph-2
▼ツチブタの様子を撮影しました。
動画URL:https://www.youtube.com/watch?v=XPchkyT2TEI

激盛れ!?白飛びミーアキャット

(すねてる…?)

「ぐで~ん」とくつろぐこちらの動物。

「ミーアキャット」です。立っている姿はよく見かけますが、こんな風にくつろぐ様子はあまり見ることができないですよね。

(お部屋から出てきました)

ミーアキャットは石や岩の多い荒地、サバンナなどに生息しています。彼らは太陽に向かって尾を支えにしながら直立し、体を温める習性を持っています。

周囲の警戒のためともいわれますが、寒暖差の激しい気候でも生き抜いていけるように進化したとも考えられています。

ばっちり目があいました。ミーアキャットさん、太陽の光を集めすぎて、お顔が真っ白になっていますよ!

▼参考記事
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%BC%E3%82%A2%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%83%E3%83%88

小獣館には、「すごい!」「かわいい!」がいっぱい

上野動物園の隠れ人気スポット「小獣館」の魅力あふれる動物たちを紹介してきました。

日本であまり見ることのできない、かわいい動物たちが集まるこの施設。何度訪れても新しい発見がありますよ。

お子様連れの方は、大声を出したり、ガラスを叩いたりせずにお楽しみください。写真撮影をする方は、フラッシュやオートフォーカス補助光をオフにして撮影してください。

施設情報

●所在地
〒110-8711 東京都台東区上野公園9-83 上野動物園「西園」内
●TEL:03-3828-5171
●開館時間:10時~16時30分

文章・画像/名月子店(めいげつこてん)

LATEST ARTICLES

安佐動物園のゾウ3頭は全員貴重!アフリカゾウのオスの現状と、マルミミゾウの繁殖、かつて日本...

前回の記事では、2属3種のゾウ(亜種含めると6種)の細かな違いについて解説しました。 今回は、その中でアフリカゾウとマルミミゾウを展示している「安佐動物公園」(広島県広島市)のゾウを紹...

【6種のゾウ】日本では全種に会える!見分け方を写真で解説。【アジアゾウ・アフリカゾウ・マル...

皆さんは「ゾウ」というとどんな姿を思い浮かべますか?大きくて、鼻が長くて、牙が生えていて…。 ゾウは大きく分けると3種類、亜種を含めると6種類もの種が存在するんですよ(絶滅した種を除く...

サンシャイン水族館でアオリイカの公開給餌を激写!模様が波打つイカ「コブシメ」も紹介。

サンシャイン水族館(東京都豊島区)ではさまざまなイベントが開催されますが、筆者は2023年6月、「アオリイカ」の公開給餌を目撃しました。 公開給餌が行われたのは、本館1階の「海...

雨の日のサンシャイン水族館。天空を見上げるペリカンとペンギン

今回は、「サンシャイン水族館」(東京都豊島区)でしか見られない生き物の展示方法を紹介します。 中でも屋外エリアの「マリンガーデン 天空の旅」では、まるで空を飛んでいるようなペンギン、高...

【多摩動物公園】インドサイ「ゴポン」とともにつくったトレーニング。その内容や目的に迫る!

今回は「東京都多摩動物公園」(東京都日野市)で行われているインドサイのトレーニングについて紹介します。 「インドサイ」といえば、硬い皮膚が特徴的で、体全体が鎧で覆われているように見える...

Most Popular

- Advertisment -

MAP

EVENT CALENDAR